こんにちは、はりじろー(@kachilogy)です。
これ、もうかれこれ25年くらいも前の話なんですけどね。
タイの長距離バスに乗ったら、めちゃくちゃ危険な目にあったって話をします。
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学生時代、シンガポールからタイまで陸路で旅行することに
当時、そう大学3年生くらいだったと思う。
地元の友人3人で、アジア貧乏旅行にいったんですよ。
なんかこうバックパックでアジア旅、みたいなのがちょっとカッコいい感じがして。
多分、言い出しっぺは僕だったはず。
なんかとりあえずアジア貧乏旅行をしたい、陸路で旅をしたい、っていうことで、旅に出たんですよ。
大まかなルートは日本を出るときに決めてて、
- シンガポールに入って
- そこからマレー鉄道でマレーシアへ入国(クアラルンプール)
- そこからまたマレー鉄道でタイに入って(バンコク)
- バンコクから陸路で同じくタイのプーケットへ
そんなルートで、旅に出たんですよね。
確か主要拠点のホテルくらいは予約してたんじゃないかな。
で、この旅はスリルあり笑いありでめちゃくちゃ面白かったんですけど、それ全部書いているとキリが無いんで、今回はタイで長距離バスに乗った時の話をします。
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長距離バスでプーケットまで行くことになった
旅の後半ですが、バンコクから陸路でプーケットを目指すことになりまして。
(そういえばバンコクからプーケットまでの距離ってどれくらいあったんだろうって今これを書きながら思ってググってみたら、860km。大体、東京から福岡くらいの距離なんですね)
バンコクで何泊かして、次に目指すのはプーケットってことだけは決まってまして。
最終的に、プーケットに何日か滞在してプーケットから日本に帰る飛行機を予約していたので、まあとにかく行かなきゃ日本に帰れないっていうね。
で、バンコクのホテルや旅行会社??とかで色々聞いて、結局、バンコクからハジャイ(ハートヤイ)まで鉄道で行き、そのハジャイからは長距離バスで行こう、ということになったわけです。
ちなみにこのハジャイからプーケットの距離は今ググったら430kmほど。
「長距離バス?いいじゃん!なんかスキーツアーとかで乗ったようなやつだよね!?」
まあ、そんなノリでした。
じゃ早速行くかってことで鉄道でまずはハジャイへ。
で、ハジャイに着いて、事前に聞いてた場所に行っても、別にバスターミナルみたいなところは無いんですよ。
「・・・ここ・・・だよな・・?」
友人と3人で、キョロキョロしてたわけですが、ボロい食堂みたいなのがあるだけで、何も無いんですよ、それらしいものが。バス乗り場っぽい雰囲気が。
当時は当然、スマホなんて無いし、こういう時は人に聞くしかなくて。
そのボロい食堂??みたいなのに入って、バス乗り場どこ?みたいなことを英語で聞いたら、「そこら辺に来る」って言うんですよ。
いや、ぶっちゃけ何て言ったのかわからないけど、そんな感じの身振り手振りでした。
ほんとにただの、舗装もほぼされてない狭い道ですよ?
仕方ないので、そのボロ食堂でコーヒーを飲むことにして、(これがまた甘くてなんだかわからない飲み物だった記憶がある)しばらく待っていたんですね。
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長距離バスはオンボロワゴンだった。しかも運転手がなんと・・・!
したらね、なんかね、オンボロのハイエースみたいなワゴン車が来た。
「・・・これは違うよな?」
僕たちはコーヒー(と言われていた飲みもの)をチビチビ飲んで、長距離バスを待ってました。
そう、長距離バスのイメージって、いわゆる観光バスじゃないですか?
30人くらい乗るようなやつね。
スキーのツアーとかでもそうじゃん?
だから、
「これは違うよな?」って。
そしたらね、そのボロ食堂のお店の人が、「来たぞ」みたいな感じで僕らに言うんです。
いやいや。
これは違うんじゃないの?
・・・え?・・・これなの?
困惑してたら、ワゴン車から運転手が降りてきて、「おい、乗れや」みたいな感じで手を振ってきたんですよ。
でね、運転手は・・・・
なんと・・・
僧侶だった。
いやいやいや!!
僧侶じゃん!!
僧侶だし、サングラスかけてるじゃん!!
いや、サングラスは別にいいんだけど、僧侶じゃん!!
まさか僧侶に運転してもらうわけにはいかないじゃん!!
間違いなく僧侶だった。袈裟を着て、頭も丸めてる。
なんか色々と違う気がするんだけど、「これはプーケット行きのバスですか」と確認すると、「そうだ」という。
ちなみにタイでは、僧侶はとても敬われる存在。
なぜ僧侶のような方がこのワゴンの運転をするのかは不明。
僕たちも僧侶は敬う存在だということはわきまえているので、失礼をはたらくわけにはいかない。
「え?なんで僧侶っつー偉い人がバスの運転すんの?」
ものすごく疑問だった。
けど、とにかく腹をくくって、乗ることになった。
だってさ、「これで合ってる。早く乗れ。」って言うからね。
乗ると、多分10人くらい乗れる車なんだけど、すでに先客も居て(確か現地の人ばかりだった記憶がある)、僕ともう一人の友人は助手席に座ることになった。
そう、ベンチシートみたいになってて、運転手の他に僕たち2人が座ったってことね。
ちなみに、運転席がらから順に、運転手・僕・友人という感じ。僕は真ん中ね。
もう一人の友人は後ろの席に、他の人と一緒に座ることになった。
「オイオイ、ちゃんとプーケットに着くのかよ・・」
そんな会話を3人でしながら、めちゃめちゃ不安なまま出発。
長距離バスが超危険だった・・・!マジで覚悟した・・・。
事前に聞いたところによると、ハジャイからプーケットまではバスで(っつーか、このワゴンで)6時間だか7時間かかるという。
程なくして、片側一車線のひたすら続く、信号が全く無い道に出た。高速道路とかではなく(高速道路自体、無かったのかもしれない)どうもこの道をずっと行くっぽい。
「・・・結構飛ばすね・・」
かなりのスピードで飛ばしていく。
「・・・オイオイオイ、速くない!?」
どんどんスピードが上がっていく。
体感では、120キロは余裕で出てる。しかも、なんか舗装もそれほど滑らかじゃないし、何せ車がボロいから、
すげえ怖い。
と、突然、僕の隣の友人が
「ふぁ!?」
って目を見開いて、僕越しに運転手を見た。
何か、とてつもなく恐ろしいものを見たような表情だった。
恐る恐る、僕も運転手を見た。
「ふぁっっ!?」
僕は凍りついた。
ありえないスピードで飛ばすオンボロワゴン。
その運転手は、なんと運転中に、
前を見ずになんか紙を広げて読んでた。
・・・・いやいやいやいや!!!
集中しようよ集中!!
前見よ??
危ないよ??
それだけじゃ無かったんです。
やがて、「
にゃむにゃむにゃむ」って、運転手、お経を唱え始めた。
いやいやいや!!!
それ、本当にそういう事態に発展しちゃうから!!
やめよ??
お経やめよ??
あまりのヤバさにどうすることも出来ず、あわあわしてたら、また助手席の友人が、今度は、
「あぶねーーーーー!!!」
って叫び出した。
猛スピードで走っているこのワゴン。
その前方に、超スローな車が居て、みるみる迫ってくる。
やばい!!
追突する!!!
まさに追突するというその寸前に、運転手は、
「にゃむ!」
とお経を止めて急ハンドルを切り、反対車線にワゴンをはみ出させ、一瞬のうちに抜き去った。
助かった・・・
と思った次の瞬間。
今度は反対車線からこちらに向かってくるトラックが!
・・・終わった・・・。
・・・こんなとこで、こんな事故で、人生終わるなんて・・・
覚悟しましたね。
そして、まさに正面衝突する直前、運転手はまたハンドルを切って、オンボロワゴンは元の車線に戻った。
まさにこれぞ間一髪。
・・・生きてた・・・・。
・・・良かった・・・・・。
いやいやいやいや!!
危なすぎない??
今さ、対向車の運転手と目が合ったよ!!
マジで危ないよ??
このままじゃ絶対に事故る。やばい。
どうにかして安全運転をしてもらいたくて、
「デンジャラス」
とかなんとか言ったと思う。
「スローダウン、スローダウン」とか言ったと思う。
でもさ、この運転手さ、なーんにも聞いてくれないの。
で、結局、6、7時間ほぼこんな調子。
「にゃむにゃむにゃむ」ってお経を唱えながら高速で爆走して、車がいたら高速で追い抜いて、反対車線の車をスレスレでかわす。
この繰り返し。
よくもまあ無事に到着したわ。
すごいわ。ほんとにあの運転手、さすがだわ。
かっこよすぎだわ、僧侶様。
っていうね、そんな思い出話でした。
まとめ
なんで僧侶ほどの身分の方がバス(っつーかワゴン)の運転手をしていたのかはナゾ。
ひょっとすると、まだ僧侶の見習い的な?感じで、その見習い期間中のつなぎとして運転手の仕事をしていたのかもしれない。
ちょっと理由はよくわからない。
ちなみに、冒頭でも書きましたけどこれは25年も前の話だし、今はきっとこんな危険なことは無いんだと思う。
それに当時は貧乏旅行ってことで、お金をかけずに旅行していたし。
タイ、良いところですし、楽しいですよ!!(フォロー)
ふと、ああ、こんなことあったなあ、と思ったので書いてみた。
いや、マジで危険すぎたな、あの長距離バス。あの運転。
あー楽しかった!!(無事だったから言える)